増刷し、ロングセラーになった前作『ひとり百物語』に続く第2弾。視える著者が実際に体験した恐怖譚をはじめ、教鞭をとる学校の学生達を集め蒐集した怪談鍋シリーズ、学生らの話など、話のバリエーションが広がり、恐怖度もアップ!一方で涙なしでは読めない感動怪談も数多く収録。帯の推薦文を寄せてくださった波津彬子先生のコメントのとおり、「けれんや脅かしはありません。だからこそ本当に怖いし、感動もします。そういう怪談です」。怪談なのに、どこか温かい・・・。パワーアップした第2弾!
学生のTさんの母親は視る人である。家の近くにS医大がある。Tさんの母親は二階のとある場所にしばらく立っていた。あとでそこを調べると、真上はICUだったそうだ。人を待っていると肩が重くなり、具合が悪くなってきた。異様な眠気が襲ってきて、立っていられない。なんとか家に戻り、すぐに倒れ込むようにして眠ってしまった。夢の中で、彼女は昔いた実家に戻っていた。彼女はまだ子供で、母親も健在だ。母親が家の中にいる彼女に告げる。「家に誰か訪ねてきているけれど、上げていいの?」すると玄関から、頭髪がなくて帽子をかぶり、ピンクのパジャマを着た八歳くらいの女の子が、入ってくる。見たことのない、知らない子供だ。「あっ、これはやばい」と不意にひらめいた。すると同時に、その女の子の背後に真っ黒な、暗くて危ないオーラが漂いはじめた。(第八十九夜 夢の中の少女 〜怪談鍋より抜粋引用)表題作となった上記ほか、教鞭をとる学校の学生たちから蒐集した数々の恐怖譚を収録。怒涛の全100話!
立原透耶◆大阪府生まれ、奈良県育ち。1991年『夢売りのたまご』でコバルト読者大賞を受賞しデビュー。ライトノベルを中心に活躍する一方で、ホラー小説や漫画の原作も手がける。現在、某大学にて中国語などの教鞭を執る。主な作品に長編ホラー『ささやき』のほか、『小説 封神演義』『闇の皇子』『彷徨い人の詩 聞け、魂の祈りを』『竜と宙』など多数。本作品は2009年3月に刊行した『ひとり百物語』の続編で、日々怪異に遭遇する「視える」著者が蒐集し書き下ろした怪談実話集である。