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ベンジャミン・フランクリンの秘密の生活

執筆者:マシュー・マニング

ベンジャミン・フランクリンは、1776年〜1785年、アメリカ合衆国の在フランス外交官をつとめた。祖国に多大な貢献をはたし、アメリカとフランスとのあいだに軍事同盟を結ぶことに成功した。しかし、このアメリカ建国の父は、なぜ独立まもない祖国を離れたのか。この点に疑問を抱く者たちがいる。これほど急いで祖国を離れなければならなかったとは、フランスにどんな重大事が待っていたのだろうか?

フランクリンがパリに移り住んだ理由には、なにか秘密があったのではないか。わたしはそう信じている。調査によると、どうやらフランクリンは、ある秘密結社の一員だったらしい。歴史家たちはフランクリンあての手紙を何通も発見したが、こうした手紙の便せんの上の余白には、ヘビに囲まれた「L」の文字をあしらった、不可思議な紋章が描かれている。だが、なによりも不可解なのは、フランクリンがパリに戻った最初の一週間に、重要な約束を何回も破ったことだ。彼はいったいなにをしていたのだろう? 新たな発見が、この謎に光を投げかけることになるかもしれない。パリ時代にフランクリンに仕えていた女中の日記が、ずっと行方不明になっていたのだが、最近、パリにある住宅の屋根裏で見つかったのだ。日記には、ある興味深い一節が記されている。

「わたしは、これから先この家で働くのが恐ろしい。ご主人さまはずっと、おかしな時間に起きだしたり、お出かけになったりしています。夜になると、風変わりなお客さまがたが訪ねてきますが、私はこの人たちに恐怖を感じています。ムッシュ・フランクリンの行動にも不安を感じます。昨晩、遅い時間に書斎から物音が聞こえてきました。泥棒かもしれないと心配になり、様子を見にいきました。書斎では、ムッシュ・フランクリンが机に向かっていました。とても緊張した様子でこちらを振り返りましたが、そこにいるのがわたしだと気づくと、また落ち着いた様子に戻り、ベッドに戻りなさいといわれました。背後になにかを隠しているようでした」

「主よ、お許しください。わたしは、好奇心を抑えることができませんでした。その晩、しばらく時間がたってから、またご主人さまの書斎に近づいて、鍵穴からなかをのぞいてしまったのです。そして、恐ろしい光景を目にしました。ご主人さまは、手に頭がい骨を握っていました。見まちがいでなければ、なにかを使って頭がい骨を彫っていました。わたしは自室に戻りましたが、その数分後、ご主人さまがこっそり階下に降りていく物音が聞こえました。窓辺に走り寄ると、街路へと急ぐご主人さまの姿が見えました。真夜中のとんでもない時間に、いったいなにをしていたのでしょうか。考えるのも恐ろしいことです」

この日記が数世紀ものあいだ「行方不明」になっていた理由に、疑問の余地などあるだろうか? 社会的に好ましくないフランクリンの行動を、世間から隠しておきたいと考えた人物がいたのだ。明らかなことがひとつある。フランクリンには、世間に明かせない秘密があった。そしてわたしは、彼の秘密が、謎の組織とかかわっているにちがいないと確信している。石工関係の組織かもしれないが、彼らが「L」の文字をシンボルに使っていたと聞いたことはない。述べるまでもないことだが、フランクリンには知られざる事実が隠されているのだ。


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